
2019年11月 1日
理事 德田 好美
齢の所為か、最近腰が痛かったり食欲がなかったりするので、先日家内ともども九州の別府温泉へ数日間の湯治旅行に行ってきた。
往路、羽田で大分空港行きの飛行機に乗ると、欧米からの観光客の姿が多く目に付いた。その時はそんなに不思議には思わなかったが、大分空港について見て、空港のあちこちにたむろしている外人観光客の多さに驚いた。そこで始めてこれは大分で行われているラグビー国際大会(ワールドカップ)の観戦者達だと気が付いた。
今の若い人たちは、<フットボール>と言えばサッカーを思い浮かべるが、筆者の少年時代は、サッカーよりもラグビーが主力であった。殊に筆者が通った中学校(=旧制。現在は高校)が、全国大会で優勝するような強豪校だったせいもあって、昼休みにはラグビーで遊んだ。
ラグビーのルールは、ボールを自分の前にいる味方に手渡ししてはいけない、という以外は、大きな制約はなく、文字通りの肉弾戦で相手の陣地に攻め込んでいく。これほど激しい体当たりスポーツは、他に例を見ない。
だが、一旦終了の笛が鳴ると、お互いの健闘を称え、お互いの労をねぎらい合う。他のスポーツも概ね同様の光景を目にするが、ラグビーでは試合終了を特に「ノーサイド」と呼び、敵味方の区別がその時点で一瞬にして消え去り、皆愛し尊敬すべき同僚だ、という基本精神をその土台としている。
我が国で行われたラグビーワールドカップも、イングランドと南アフリカの2チームを残すのみとなり、いよいよ11月2日に決勝が行われる。本稿が皆さんの手に渡る頃にはどちらかが世界一となり、しかしノーサイドでお互いに抱き合っている姿を見る頃であろうか。
