健康アラカルト(132)驚きの縄文時代

2025月7月1日
院長 大石 孝

縄文時代のイメージと言えば、「野蛮な狩猟生活で、文明等無かった」ではないだろうか?実は、最近の調査によると、縄文時代は少なくとも1万6000年前より、長期にわたり高度の文明を築いていたことが分ってきた。日本という国は、世界史的にみても最も古い文明を持った民族であるようだ。

縄文時代の食生活は、どんぐり、椎の実、栗等の樹木を栽培し、魚や貝等の魚介類や鳥類、昆虫も食べていた。土器(縄文土器)の製造によって、いろんな食料の煮炊きができるようになり、硬い物を柔らかく、有害物質もアク抜きして食べられるようになり、食材の範囲が広がり、保存性も増すようになった。イノシシの飼育も行ない、狩猟民族でありながら、温暖な気候で周囲に食料が豊富にあったため、定住生活も可能となった。今価格が高騰して問題となっているお米の栽培も、すでに縄文時代より始まっていた。ただし、本格的な水稲稲作は弥生時代になってからである。野菜や肉・魚は長期保存は無理だが、お米は玄米の状態なら、20年近く保存出来るため、災害時には貴重な食料となる。また、麦、アワ、ヒエ等の穀物や豆類も食べていたことが分っている。なかなかバランスの良い食生活をしていたようだ。

縄文時代は戦争もない平和な状況が1万年以上も続いた奇跡的な時代でもあった。大規模な建物や、直径1mもある大型堀立柱建物を作る技術もあり、天文学の知識もあった(右中写真:三内丸山遺跡)。ペンダントや耳飾り、漆を使った櫛等も出土しており、お洒落をする余裕もあったようだ。土器も装飾性に富んでおり、芸術性も高かった(左下:火焔型土器)。驚きの縄文時代である。

さて、皆さん、この土器を見て、何か感じませんか?
 私はドキドキ(・・・・)しました。土器だけに・・?