2025月11月1日
院長 大石 孝

過去、哲学者アリストテレスや進化論のダーウィンを始め、言葉を持つのは人間のみであり、動物の鳴き声は喜びや怒りといった感情を表しているだけといわれてきた。現代まで、それは当たり前の常識として誰も疑問を持たなかった。
しかし、鈴木俊貴氏の「僕には鳥の言葉がわかる」を読むと、鳥を始め、動物には言葉があることが分ってきたとのことである。
小鳥のシジュウカラは「ピーツピ」と鳴くと「カラスだ、警戒しろ」、「ヂヂヂヂ」と鳴くと「仲間に集まれ」、「ジャージャー」と鳴くと「ヘビが来た、危ない」、「ヒヒヒ」と鳴くと「タカが来た」という意味を持っていることが判明した。シジュウカラのヒナが「ビビビ」と鳴くと、エサをねだる声だそうである。実験として、シジュウカラにカラスの剥製をみせると「ピーツピ」と鳴き、ヘビの剥製をみせると「ジャージャー」と鳴くことが再現された。次に「ジャージャー」という音をスピーカーから流すと、シジュウカラは巣箱の周りの地面を見下ろし、ヘビを探す動作をした。「ピーツピ」だけ流すと、周りを警戒する動作をし、今度は、「ヂヂヂヂ」だけ流すと、スピーカーの近くに集まった。
さらに、体長20cmほどのモズが現れた時、シジュウカラが「ピーツピ・ヂヂヂヂ」と鳴き出した。すると、周りのシジュウカラやコガラが集まって、モズを威嚇し始めた。これは「警戒して、集まれ」という2語文になる。なんと、シジュウカラは2語文までしゃべっているのである。実は、リスにも鳥の言葉が分るようで、シジュウカラが「ヒヒヒ」と鳴くと、タカが来たと分り、慌てて隠れるのである。鈴木氏は、20年に渡り森の中で小鳥を観察し、実証実験を繰り返した結果、小鳥には言葉があることを突き止めた。この結果は国際的な学会でも革新的な研究として認められたとのことである。この発見をきっかけに、今後は様々な動物の言葉が発見されていくと思われる。
以上の経過は、動物の中で人間だけが優れているわけではないことや過去の常識にとらわれてはいけないことを示唆している。後者は医学にも通じるのではないかと感じる。
では、トリの話の最後だけにトリを飾って、トリ語の歌を1つ。♬ピーチク パーチク ひばりの子♬・・。あっ、これは熊本民謡「おてもやん」の歌詞の一節だった!ちょっとトリ違えました。トリあえず、トリ消󠄃します。以上。