2026月1月1日
院長 大石 孝

再び、長屋から・・・。
八っつぁん「近頃のガキは生意気なやつが多くて困ったもんだ」
熊 「どうした、八っつぁん」
八 「なにしろ、大人のくせに読み書きそろばんができないなんてみっともない、ってぬかしやがる」
熊 「確かに、俺のガキも寺子屋で色々習っているみたいだぞ。なんでも和算がどうのこうの、とか言っていたな。」
ご隠居 「和算と言えば、関孝和と言うお方が有名だぞ。」
熊 「誰ですかい?」
隠居 「江戸時代前半に中国の知識を元に独学で和算(日本の数学)の体系を築いた人じゃ。なんでも、俳聖・松尾芭蕉や茶聖・千利休と並び、算聖の関孝和と呼ばれているそうじゃ。」
熊 「聞いたこともない名前だな。和算なんて何の役に立つんすか?」
隠居 「それはじゃな、和算というのは、暦、天文学、測量学、建築・土木、商いの計算など幅広い分野にわたり、これなしでは成り立たないといわれておる程、いろんな分野の基礎となるものじゃ。彼は、当時数学の世界最先端をいってたんじゃ。」
八 「益々わからねぇ。」
石庵 「分らなくても無理はないが、一見無用と思われるものも、実は世の中の役に立つものはたくさんあるということじゃ。それからな、江戸時代の日本人は識字率も南蛮なんかよりよほど高かったようじゃ。」
熊 「その識字率が高いってのは、やっぱり寺子屋のお蔭なんですかい?」
石 「そうなんじゃ。全国津々浦々にあって、子供たちに読み書きそろばんを教え、また、しつけも行なっていた。商家や農家等の子供で、師匠として教えていたのは、僧侶、神官、浪人、医師など様々じゃった。」
八 「じゃおいらも寺子屋に入って学び直そう。今からでも間に合いますかね?」
隠居 「大人の学び直しじゃな。何才からでも遅いということはない。やるか、やらないかじゃ。」
熊 「ちょっと待てよ。大工のおめえが学問やってこれから何の仕事するんだ!?」
八 「まぁその~、心を豊かにするっていうか、粋(いき)とかわびさびの世界を学ぶっていうか?」
熊 「ぷふぁ~(^0^)。おめぇが心を豊かに?粋?わびさび?一番遠いやつだね。驚き、桃の木、山椒の木~。結構毛だらけ猫灰だらけ、お尻のまわりはクソだらけ・・。」
石 「それ、なんだかフーテンの寅さんの台詞みたいじゃな。和算の話ではなかったか?」
熊 「そんな話はごは(わ)さんに願いします。とにかく、おいら関孝和先生を算聖と呼ぶことには賛成しまっす。」