2021年 5月 1日
院長 大石 孝
日本では古来より渡り鳥を多く見かける。渡り鳥は、春に来て秋に去るツバメ、ハチクマ等の夏鳥、秋に来て春に去る白鳥、ツル、カモ等の冬鳥、春や秋に一時的に日本を中継地点とするシギ、チドリ等の旅鳥に分けられる。千葉県では谷津干潟が日本有数の飛来地となっている。
ところで一体、渡り鳥はどこから来てどこへ行っているのか?なぜ毎年正確に同じ場所に来れるのか?何のために渡りをするのか?長距離を飛ぶエネルギーをどこから得るのか?不思議に思いませんか?
まず、どのくらいの距離を移動するのか?例えば、ハイイロミズナギドリはニュージーランドから南アメリカを経由し太平洋を北上、日本、アラスカ沿岸に行き、再びニュージーランドに戻るが、総移動距離は実に6万5千キロ(地球1周4万キロ)に及ぶ。白鳥は、シベリアとの間の6500キロを平均50日かけて移動する。ハチクマは、日本から、中国、インドシナ半島を経由し、ボルネオやフィリピンとの間約1万キロを移動する。どれも我々の常識を遙かに超える距離である。
なぜ毎年同じ場所に戻れるのか?日中は太陽を、夜は星座や磁場を頼りにし、地理や地形についての情報も利用していると推測されている。わざわざ長距離を移動するのは、寒さを逃れ、食物を確保するためのようである。
さて、一体、長距離移動のエネルギーはどうやって得ているのか?飛来前は餌をしっかり食べ脂肪を蓄え、エネルギー源にする。トリ胸肉にあるイミダゾールペプチドは優れた疲労回復効果と抗酸化作用を有し、数千?数万kmもの長距離飛行を可能にしている。他にも良質の蛋白質、ビタミンA、B6を多く含むため、胸肉やササミの摂取はヒトの疲労回復にも有効とされる。まだまだ、渡り鳥については謎が多く、その生態は興味尽きないが、鳥ってすごい生き物であることは間違いない。
では、ここでトリにまつわるなぞなぞを3題。
①隠れたパトカーに捕まるトリは?
②丁寧に教えるトリは?
③汗ばんだトリは?
正解:①鼠捕り、②手取り足取り、③じっとり