2025年6月1日
アドバイザー 加藤 洋男
6月10日は「時の記念日」だ。日本書紀に671年6月10日に日本で初めて水時計が時を知らせたと記されていることを記念して1920年に制定されたという。
童謡「大きな古時計」の「♪おじいさんといっしょにチクタクチクタク・・♪」のとおり、私が子供の頃は普通の家では、ボーンボーンと時刻を知らせる柱時計と外で働く父の腕時計か懐中時計が一つずつあるのが一般的だった。柱時計はゼンマイ式で、文字どおり高い所にあったので、1日1回のゼンマイ巻きは父の仕事だった。
現在はどうだろう。通常のアナログ表示式や腕時計に加え、電子機器に内蔵されたデジタル表示の時計が溢れている。テレビ、トイレ、風呂、炊飯器、レンジ、パソコン等々、更にはスマホの時計がある。
朝の通勤時間帯で1分ごとの正確さが必要な場合はテレビの時報を見ているが、その時々の状況で見ている時計が無意識に異なるような気がする。
昔の時計は時の経過により進んだり遅れたりし、何日かに一度は調整が必要だったが、現在は電波式、ソーラー時計が多く、遅れもなく、ゼンマイ巻きも電池の入れ替えもなく楽になった。
最近は高級腕時計を持つことがステータスと考えている人が結構いるらしい。100万円単位はざらだが、東京のあるデパートの高級時計売り場はフロアの大半を占めているものの、顧客より店員の数の方が多いが、長期間この状態なので採算はあっているのだろうがよく分からない。
現在の最新鋭の時計は日本産の「光格子時計」で、1台5億円で販売を始め、国内外の研究所から問合せがあるという。重さ200kg、高さ1m、誤差は100億年に1秒で、噴火や地震の予知への活用が期待されているそうだ。
実用を離れてみると代表的なものに、公園等にある日時計、家の飾りとしての鳩時計、置物として砂時計などがある。これらとともにのんびりした平和な時を送り、しばし巷の喧騒を忘れて、心身の洗濯をしたいものである。