コーヒータイム(87) 結婚式

2026年6月1日
アドバイザー 加藤 洋男

6月は「ジューンブライド」で、「この月に結婚した花嫁は幸せになれる」というヨーロッパの言い伝えに由来するものだが、結婚式の需要が少ない梅雨対策として業界が使い始めたという説が有力だ。日本では平安時代は男性が女性の家に通ったり泊まったりして、結婚式も女性の家で行われていた。現代に続く嫁入りの形での結婚は武家が力を持った鎌倉時代からだといわれている。

昭和初期までの結婚は、親同士が決めた後、本人同士は見合いはおろか、式当日に初めて相手の顔を見たという今では信じられないことが当たり前の如くあった。因みに私の両親もそうであったらしい。

時を経て昭和後期の結婚そのもは現在のような形に近いが、披露宴は会社の上司や同僚、学生時代の恩師や友人等を招いて盛大に行われ、両家で100人を超えることは”当然”の様相を呈していた。その頃、若い従業員が溢れる地方の工場に勤務したが、結婚が頻繁で第一線の職場長は毎月の如く式に招待され、それはお目出度いものの祝儀の支出に悲鳴があがった。折しも市が”新生活質素令”を打ち出したのに便乗して、希望者には「当社は市のご指導を踏まえて・・・・」なる相場より低い額の言い訳書を祝儀袋に同封するこという対策をした経験があった。

平成期になると結婚そのものの価値観が揺らぎ未婚率が高まるとともに、結婚しても「家」から「個人」間という意識の変化や、実利重視で式の費用を結婚後の住宅や生活費に充てるという考えなどで、結婚式の形が大きく変化してきた。節約ずくめの”地味婚”、写真だけの”フォト婚”、近い家族だけの”アットホーム婚”などはおろか、”ナシ婚”として挙式をしない形が広がり、業界は倒産や縮小で苦しんでいるという。そもそも結婚自体が1970年代のピークから半減し、そのうえ挙式をした人はそのまた半分以下というのが実態のようだ。

世の中には変わっていくものと、変えてはいけないものがある。日常生活は年々変化していくものが多いが、健康管理については時代が変わっても”ナシ”とはいかない。食事・睡眠・運動を基本に、医師の指導を忠実に守るという形は、変えてはいけないものの代表例と思う。