コーヒータイム(88) 木陰

2026年8月1日
アドバイザー 加藤 洋男

 

6夏本番で木陰を求める日常だが、街中の木陰が縮小していて、例えば東京23区では9年間に東京ドーム256個分が消えたそうだ。木の枝葉が地面を覆う面積の割合である「樹冠被膜率」が9.2%から7.3%に減少した。
ニューヨーク23.4%、シドニー19.8%、パリ7.6%と比べ世界的に低い。主な原因は庭木のある住宅や街路樹の減少という。相続した土地の細分化やマンション化による庭木伐採や、高度成長期に植えた街路樹が寿命を迎えたが、予算不足で植え変えられないことや、華やかで管理手間のかからないハナミズキを植えることが増えているが、これは木陰が小さいなどいろいろな要因がある。但し、幅が5.5m以上の道路がロンドンでは98%以上だが、東京・大阪では3割以下のため、街路樹ゾーンを増やす余裕がないという現実的問題もあるそうだ。

木陰を1割増やすと0.8度、3割なら1.5度の冷却効果があるという。海外の都市は夏の猛暑対策のために緑地計画を進めている。パリは2030年までに市内の3割を緑地に、ニューヨークは樹冠被膜率を2040年までに30%にする目標を立てている。残念ながら日本では具体的計画はない。東京都は時間ごとの日陰マップを表示して目的地まで日陰を多く通るルートを確認できるアプリが出来たそうだが・・?

木陰について子供の頃の想い出が二つある。一つは小学生の頃、地域の大地主が有していたチョットした森があったが、太っ腹な地主は塀をせず、近所の腕白坊主のターザンごっこを始めとした格好の遊び場だった。夏休みにその木の下で大きなテーブルに小学生が数人集まり、朝の涼しいうちに宿題をやっていた。上級生が下級生の世話をするよい習わしだった。もう一つは中学生の時野球部にいたが、当時は練習時の水飲みはご法度だった。夏の練習後、顧問の先生の好意で一升瓶のシロップをぶっかき氷で割り、校庭の隅のプラタナスの下で車座になって飲んだ美味しさは未だに思い起こされる。

40度以上は「酷暑日」と命名されるなど、夏の温度がワンランク上がり熱中症対策が必須だ。木陰で涼を求めて過ごせる程度の温度に止まってして欲しいものだが・・。