35.抜け毛の原因とは? part.2 ~病気による抜け毛~

2024年12月2日
皮膚科医師
芳川万代

今回は、病気による抜け毛(特にAGA、FAGA)についてお話ししたいと思います。

脱毛を起こす病気は?

■ AGA(男性型脱毛症)
 ■ FAGA(女性男性型脱毛症)、FPHL(女性型脱毛症)
 ■円形脱毛症
 ■脂漏性皮膚炎
 ■甲状腺疾患(橋本病等)
 ■膠原病(SLE、強皮症等)
 ■梅毒
 ■鉄欠乏性貧血
 ■薬剤性脱毛
 ■ウイルス感染症(新型コロナウイルス感染症等)
急に抜け毛が増える原因として、主に、以上の病気があります。

AGAについて

AGAは、成人以降であれば年齢を問わず誰でも発症する男性特有の脱毛症です。
 おもな特徴は次の通りです。
・抜け毛の本数が異常に増える
・力を入れずともポロポロと髪が抜ける
・生え際や頭頂部の薄毛が目立つ
・抜け毛が細く短い
 発症には男性ホルモンが関与し、家族が薄毛だと高確率で遺伝すると言われており、フィナステリドやデュタステリドの内服、ミノキシジルやアデノシンの外用による治療で、予防と発毛の効果が認められています。

FAGA、FPHLについて

AGAに対し、女性特有の薄毛をFAGA(またはFPHL)と言います。
 FAGAは頭頂部を中心に薄毛が広がるのが大きな特徴です。人によって生え際が剃り込みのように後退する方もいます。
原因として考えられるものには、ホルモンバランスや過度なダイエットなどが挙げられます。
 女性の薄毛は加齢によるホルモン低下の影響を受けやすく、更年期以降の40~50代の方に多く見られます。FAGAについては、ミノキシジルやアデノシン、カルプロニウム塩化物による外用治療のみが、日本皮膚科学会で作成されたガイドラインで認められている治療となります。